Go!

こんにちは 蓮沢です

その昔、ROCK好きを自称するならば軟弱なPOPSは聴くべきではないっ!つまりセックス・ピストルズ好きがカイリー・ミノーグ聴いちゃダメでしょ?みたいなね・・・。「ROCK=反骨精神」にスタイルだけ同調してしまってた時期がありました・・・。
何ていうか・・・ジャンルやルックス、イメージだけで判断して食わず (聴かず) 嫌いは大損してる、って話でした。良いモノは良いのよ・・・。

という事で、今日はあえて「俺はメタリカしか認めないよ?」なんてお兄さんにもお薦めしたいアルバムです。


フランスのミュージシャン、アンソニー・ゴンザレスのソロプロジェクト「M83.」です。ジャンルはというとシューゲイザー エレクトロ。・・・って解りづらいですね。例えるならペット・ショップ・ボーイズのアングラ版。。。???違うな・・・。
巷ではこの種のジャンルは機材揃えてループ繫いだら1曲出来ました、みたいなモノで溢れていますが、「M83.」は違います!

楽曲のクオリティありき!とにかく曲が良い。これに尽きます。ヴィンテージクラスのアナログシンセサイザーや空間系エフェクトを多様したアレンジで、知らずにBGMで流れてたら80年代の曲だと思ってしまうかもしれません。しかし それもあくまで狙っての話。
とにかくアンソニー・ゴンザレスの音楽センスが凄すぎて、実にトム・クルーズ主演のハリウッド映画「オブリビオン」のサントラを任せられるほどの手練れなわけですよ。

2016年リリースの通算7枚目となるアルバム「JUNK」。今作あたりからアンソニー・ゴンザレスは自分は裏舞台の方が居心地が良いって、何とも奥ゆかしい理由で自らはマイクをとらず、ゲストボーカリストを起用する事が多くなりました。

この「JUNK」には何名かのボーカリスト、プレイヤーもゲストに迎えていますが、その人選がまた玄人好み。ヴェトナム系フランス人シンガー「マイ・ラン」、ノルウェーのシンガーソングライター「スザンヌ・サンドフォー」、そして大物アーティスト「ベック」がボーカルパートで参加しています。そしてギターではなんとっ!「スティーヴ・ヴァイ」先生がっ!


「Go!」

レトロな味わいをもったEDMがベースの曲で個人的にアルバム中ベストトラック。イントロのムードたっぷりなサックスから惹き込まれるし、どっぷり叙情的な歌詞とマイ・ランの無機質なのにどこか哀愁漂うボーカルがマッチして独特な世界を生みだしています。そしてとどめは!スティーヴ・ヴァイの王道泣きギターソロ!なんじゃこりゃっ!カッコ良過ぎるっ!
スティーヴ・ヴァイの名前からくる先入観も多少はあるでしょうが、ギターのサウンドが知的に聞こえてくるから不思議・・・。この手のエレクトロにハードロック系ギターをめちゃくちゃお洒落に絡めるところにアンソニー・ゴンザレスのセンスが炸裂しています。これほどまでに頭の先から尻尾の先まで美味しい曲はそうありません!1回大音量で聴いてみて下さい。凄く気持ち好いんで!


「For The Kids」

美メロという言葉はこういう曲にこそ使いましょう。それにのっかる「スザンヌ・サンドフォー」のボーカル・・・これがまた本当に美し過ぎて泣けてくる。。。
どんだけアルファ波が出てるんでしょうか、この曲!聴きながら眠ったりしたらそのまま永遠に目が覚めないんじゃないかと思うくらい凄まじい浮遊感でどっかに連れて行ってくれます。出会えて良かったと思える1曲、お薦めです。